建築鉄骨の溶接技術の最新トレンド

1. 自動化・ロボット化の加速

近年、溶接作業の自動化・ロボット化が急速に進展しています。特に大型鉄骨柱や現場での溶接作業において、ロボットによる全自動溶接システムが実用化され、人間の熟練技能者と同等以上の品質を確保しながら、昼夜連続作業や省人化・高能率化が実現しています146。

2. 高能率・高品質溶接プロセスの開発

• 高速水平すみ肉溶接法や炭酸ガスパルスアーク溶接など、溶着速度や溶接速度を向上させ、スパッタや気孔欠陥を低減する技術が普及しています610。
• CMT技術（Cold Metal Transfer）やレーザアークハイブリッド溶接法など、溶接ワイヤの送給制御や電源波形制御を高度化し、高品質な溶接を実現する新技術も導入されています5。

3. 溶接材料の進化

• 連続溶接性や靭性に優れた溶接用ワイヤや、高強度鋼板に対応した溶接材料の開発が進んでいます57。
• **TMCP鋼（熱間圧延制御鋼）**の普及により、溶接熱影響部の脆化を抑え、超大入熱溶接にも対応可能な鋼材が登場しています7。

4. 狭開先溶接技術

従来の溶接開先角度（35度）よりさらに狭い25度の「狭開先溶接技術」が開発され、溶接量を約30%削減し、工期短縮とコストダウン、環境負荷低減が実現しています39。

5. AI・デジタル化による品質管理

AIやIoTを活用した溶接品質の自動判定、製造プロセスの可視化、遠隔監視などのデジタル化が進み、品質安定化と生産性向上が図られています15。

まとめ
建築鉄骨の溶接技術では、自動化・ロボット化、高能率・高品質プロセス、新溶接材料、狭開先溶接、AI活用が最新トレンドです。これらにより、耐震性・品質・生産性のさらなる向上が期待されています156。

Citations:

1. https://hashimoto-tk.net/blog/9286
2. https://www-it.jwes.or.jp/we-com/bn/vol_19/sec_4/4-1.jsp
3. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjws/87/3/87_196/_article/-char/ja/
4. https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/mag/rob/18/00004/00100/
5. https://www.kobelco.co.jp/r-d/technology-review/dumm/__icsFiles/afieldfile/2025/03/19/238_002-004.pdf
6. https://jweld.jp/archive/komatukengaku-ibaragi.pdf
7. https://www.nipponsteel.com/tech/report/nsc/pdf/38502.pdf
8. https://www.sustainability-hub.jp/column/ce-interview-1-1/
9. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjws/87/3/87_186/_pdf
10. https://www.tokushuko.or.jp/publication/magazine/pdf/2021/magazine2101.pdf